2017年1月24日火曜日

絶滅危惧種クロマグロ 3 - Bluefin Tuna III

前の2つの記事で、クロマグロは絶滅危惧種であること、世界はマグロの保全を求めているのにもかかわらず、日本は科学を捻じ曲げて、日本の漁業者(それも小規模漁師さんを守るわけではなく、大企業の利益のため)の理にかなうような主張をし続け、いよいよ世界的な水産保全の会議でも、名指しで非難されてしまうようになってしまったこと、また、そういった事実を市民に知らせていないことなどを書いた。

当然のことながら、地球はひとつで、資源も有限。

持続可能(サステイナブル)な漁業と適切な水産資源管理、それを支える社会がなければ、マグロでなくても魚食文化は地球上から消滅してしまう。

中には、近大養殖マグロがあるじゃないか、と思っている人もいると思う。でもマグロには配合飼料だけではなく生餌が必要で、マグロ1キロ生産のためには、例えばサバ10~25キロが生餌として必要となり、そのために、サバや他の生餌になりうる魚の乱獲も起こっているという現実を見つめるべきだし、まだまだ始まったばかりの完全養殖が、日本の貪欲なマグロ欲をまかなうほどのビジネスになるまで、天然マグロは生き残っていないだろう。


本来ならば国が世界と協力して水産資源の保護をおこなうべきだけれど、そうでない場合、逆に市民の力で国が方針を変えるよう行動することだってできるはず。

私たちに今すぐにでもできることは、例えば、
マグロを買わないこと。買う人が減れば売れなくなり、売る量が減る。
そして、スーパーや魚屋さんにもマグロの危機的状況を話すこと。
直接言いにくければ、スーパーなどにあるお店への一言メモを提出したり、ネットで本社へ要望を書き込んだりすること。
また、普段読んでいる新聞・雑誌への投書や、SNSでの書き込みで、知り合いや不特定多数のフォロワーたちに呼びかけること。
小さいことだけれど、すぐにできることがたくさんある。

マグロが好きだから、食べるのはやめられない、という人。
食べるのをやめたら、あなたは地球上から消えてなくなりますか?
逆にあなたがマグロを食べることをやめないために、マグロは地球上からいなくなります。
いなくなれば食べられないから、どうせいいじゃん、という人。
それはただの自己中心的で幼稚で最低な考えなので、反論するために時間を浪費したくありません。

クロマグロの種としての未来も、壱岐や他のマグロ漁師さんたちの未来も、和食SUSHIの未来も、今の私たちの意識の持ち方にかかっている、と思っても考えすぎではないのかもしれない。

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